土地探しから建築士がお手伝いするメリット②

所長の加藤俊之介です。

今回は、土地取引の仲介業務について、宅建業者としてだけではなく、一級建築士と

しての知識を生かす事で、お客様のお役に立つ事ができた事例について、お話してみ

たいと思います。

昨年12月中頃、

ある物件を気に入られたお客様より、購入意思を伝える為の「購入申込書」に記載を

頂き、私どもが買主側仲介業者として、売主様に提出致しました。

その後、売主仲介業者と私ども買主仲介業者の両社で、契約に向けて物件詳細調査を

進めていたところ、地目が「宅地ではなく、以前は池沼」となっていたことは分かっ

ていたのですが、実際に当該地が「池の中心付近」であったという事実(写真が残っ

ていました)が分かりました。

すぐにお客さまに状況をご説明させて頂きました。

その後、売主仲介業者と協議の結果、契約前でしたが、売主にもご理解を頂き、事前

に現地の「地盤調査(スウェーデン式サウンディング調査)下記写真」を実施させて頂く事と

致しました。

いざ、調査を開始したところ、すぐに硬い盤にぶつかってしまい、地盤調査を進める

ことが出来ない状況となってしまいました。

このままでは地盤状況が判断出来ず、契約→決済をして土地を購入しても、場合に

よっては建物計画の際に問題が発生する可能性がある状況でした。

このような状況でも、お客様はこの物件をとても気に入っていらっしゃいましたので、何とか契

約前に、地盤の状況をきちんと把握して、今後の建物計画の問題点や懸念される事項

を確認出来ないものかと検討、協議を致しました。

最終的には、「地盤調査(スウェーデン式サウンディング調査)を邪魔している硬い

層がいったい何か」、また「硬い層がどのくらいの厚さであるのか」を確認する必要

がある事を、売主仲介業者に説明し、協議の結果、売主様費用負担で「重機による掘

削(地盤を掘って状況を調査)」を実施して頂く事となりました。

売主様に、「お客様がとても気に入っている土地である反面、専門的に検討したとこ

ろ種々懸念事項がある」という事を説明させて頂いた結果、「契約前の掘削調査の承

諾」、「売主様が掘削費用負担する事」のご理解を頂けた事は、買主側仲介

業者として役割を果たすことが出来たと思っております。

そして掘削による調査の結果、池等の埋立の軟弱地盤対策として、当時一般的であっ

た「コンクリート解体塊」を埋立盤として利用されていることわかりました。

よってコンクリート解体塊が、地盤調査のスウェーデン式サウンディング調査不可能

(スクリューロッドは入らない)の要因となっており、今後の建物の「地盤改良工法

選定」において、かなり制約がある事もわかりました。

そこで建築士として、当該地の現況でも「地盤補償保険の適用が受けられる軟弱地盤

対策工法」を検討させて頂き、今回適応可能な「置換工法」を選定し、詳細資料と合

わせてご説明させて頂き、ようやく安心してご紹介、売買仲介をさせて頂ける状況と

なりました。

以上が、今回の土地の取引までの経緯となります。

もしかしたら、池沼でコンクリート解体塊を埋立てた状況を知る段階で、土地売買取

引は不成立で終わっていたかもしれませんでした。

ですが今回は、買主様の当該物件に対する熱意と、私ども「宅建業者としての知

識」、「建築士としての知識」があったことで、当該物件の懸念事項をはっきりさせ

ることが出来、最終的にお役に立てたのではないかと思っております。

今後も、宅建士と建築士の立場並びに両方の目を生かすことで、時間を惜しまずお客

様の土地探しや、安全な売買取引のお手伝いをしたいと思っております。

今後共、土地売買取引において、お客様に安心安全の確保に努めてまいる所存

です。

(有)アーキベース一建築士事務所

新潟市の不動産土地情報・建築設計事務所

(不動産のページ)

(設計事務所のページ)

カテゴリー: 不動産について, 建築について   パーマリンク

コメントは受け付けていません。